☆自己破産申立ての際の義理の父母への家賃、住居費や生活費などの支払いについて
1 自己破産の手続きにおいて、同居している義理の父・母に、家賃、住居費や生
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1 自己破産の手続きにおいて、同居している義理の父・母に、家賃、住居費や生活費としての名目で、毎月一定額を支払っていた場合、これらの支出は正当な支出として認められるのでしょうか。仮に、裁判所や管財人に認められないと判断された場合には、財団組み入れなどの措置が取られる可能性があります。一般的に考慮される要素や、認められる可能性を高めるためのポイントなどについて考えてみます。
2 考慮される要素として考えられること
①居住に至る経緯や必要性・合理性
なぜ義理の父・母の家に住む必要があるのか、例えば、経済的な理由、介護の必要性など、親子間なので特別な理由などないかもしれませんが、理由については整理できる方がよいと思います。また、家賃や住居費として支払っている金額が、近隣の家賃相場と比較して妥当か、この点についても確認しておく必要があるでしょう。極端に高くなっている場合は、支出の一部または全部が否認される可能性も出てくるでしょう。
他方で、毎月、義理の父や母から、子どもが小さく共働きなので、食事を作ってもらうなどの援助を受けている場合は、この点についても、いくらかのプラスアルファの支出を基礎づける要素になってくるでしょう。
②証明書類はあるのか
実際に相当額の支払いを行っていることを証明できるか。たとえば、領収書、銀行振込明細などがあるとよいと思います。義理の父や母との間で、賃貸契約書などの書面を交わしていることも有利な材料になりうるものと思われます。
③家計収支
自己破産申立人の収入や支出の状況の中で、相当額の住居費等の支払いを行うことにより、家計の状況は成り立っているのかも、今一度確認しておくことが必要でしょう。家賃相場としては適切な額に抑えられていても、本人の収入からすると過大な支出となっている場合は、やはり改善すべき余地があるでしょう。
④裁量免責
全体のバランスからすると、免責不許可事由(浪費、ギャンブルなど)の有無、債務超過の原因や破産に至った経緯、破産者の反省の度合いや、更生の可能性も参考とされる要因になるでしょう。
3 認められる可能性を高めるためのポイント
義理の父・母との関係であるならば、証拠書類として、賃貸契約書などを作成しているとよいでしょう。契約書などは少し堅苦しくてという場合には、取り決めを行った時に、家賃、契約期間、退去時の条件などをメモした書類を交換しておくのもよいでしょう。また、支出の証拠として、その都度、領収書を受領したり、銀行振り込みとすると良いでしょう。支払う額は、あまり高くないように設定しておきましょう。一応、近隣の家賃相場を確認しておくとよいと思います。
4 まとめ
義理の父や母に支払っている家賃や住居費が認められるかどうかは、個別の事情によっても異なってくると思います。認められる可能性を高めるためには、賃貸借契約書や、取り決め時にメモを作成し、支払い時には領収書を発行してもらい、または、銀行振込で支払うとなどしておくとよいでしょう。
そして、自己破産の経験豊富な弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
以上